プロダクトマネジメントと新製品開発がChaptre 9のテーマですが、
カバーストーリーはiRobot社が実際に進めてきた、新製品開発が紹介されていてとても興味深い内容になっています。
ここではルンバがどのようにして市場に広がっていったのかが紹介されています。
テキストを実際に読んでみましょう。
For its launch, iRobot worked with specialty retailers such as Sharper Image(※1) and Brookstone(※2). These retailers were willing to show videos of Roomba in action and train their salespeople to explain and demonstrate Roomba in their stores.
The extra promotion push was important because initially customers didn’t know the brand name and were not looking for this sort of product.
However, iRobot quickly generated publicity(※3) for the Roomba—with everything from appearances on the “Today” show and videos on YouTube, to reviews in magazines, newspapers, and at CNET.com. All of this media attention—and some traditional advertising—propelled(※4) sales and quickly made Roomba a familiar brand. Soon iRobot expanded distribution to Bed Bath and Beyond, Target, and Amazon.com.
<以下訳>
製品の発売にあたり、iRobot は Sharper Image や Brookstone といった専門店と提携した。
これらの小売店は、Roomba の実演ビデオを店頭で流し、販売員に Roomba の説明やデモンストレーションの方法を教えることに協力的だった。
こうした積極的な販促活動は非常に重要だった。というのも、発売当初は顧客は iRobot というブランド名を知らず、そもそもこのような製品を探してすらいなかったからである。
しかし iRobot はすぐに Roomba に関する多くのパブリシティ(報道)を獲得した。
たとえば、テレビ番組「Today Show」への出演、YouTube の動画、雑誌・新聞・CNET.com におけるレビューなどが挙げられる。
こうしたメディアの注目と一部の従来型広告がRoomba の売上を押し上げ、急激に有名なブランドとなった。
まもなく iRobot は、Bed Bath and Beyond、Target、Amazon.com へと販売チャネルを拡大した。

カバーストーリーに登場するルンバは「消費財の購買態度による分類」では「New unsought products」に分類されます。
※以下分類項目
最寄品、買回品、専門品、非探索品(New unsought、Regularly unsought)
New unsought=これまで存在しなかった新しいカテゴリーの製品(携帯電話、ドローン、インターネットなどが初めて登場した時)
Regularly unsought=お墓、生命保険、老人ホームなど
第8章の216ページの表にNew unsoughtの「扱い」について次のように説明されています。
Marketing Mix Considerations
Must be available in places where similar (or related) products are sought; needs attention-getting promotion.
Need for product not strongly felt; unaware of benefits or not yet gone through adoption process.
Consumer Behavior
Need for product not strongly felt; unaware of benefits or not yet gone through adoption process.
「新規否探索品」の場合、最初に消費者に認知してもらうプロセスで非常に大きなプロモーション費用と時間がかかります。
ルンバの場合テキストに書かれているようにSharper Image や Brookstoneで製品をわかりやすく伝えるためのビデオを流したとあります。何店舗で流したとは書かれていませんが、大雑把に見てもビデオの制作費、ビデオ再生装置の購入と設置、販売員の教育のための人材、これらに店舗数を掛けた数字になります。まだ売れるか売れないかわからない商品ですが、ここでターゲットに商品の魅力が充分伝わるような「内容」と「まとまったボリューム」のプロモーションをうたなければ成長市場を確保することはできません。
多過ぎず、少な過ぎず。そのためには明確なターゲットの設定とそのターゲットの伝わる内容が重要になります。
このルンバのケースではそのことが詳しく書かれていてとても興味深い内容になっています。
用語解説
※1 Sharper Image
Sharper Image の位置付け(アメリカ市場における)
特徴 内容
ジャンル ガジェット・高機能家電・ライフスタイル雑貨の専門店
ターゲット テクノロジー好き/新しもの好き/中〜高所得層/ギフト需要
イメージ 「未来っぽくてちょっと贅沢な便利グッズの宝庫」
価格帯 中〜高価格帯(高級感あり)
購買体験 商品の体験・実演を重視、店頭で触って試せる
消費者からの見られ方:
•ギフトにぴったりの変わったアイテムが見つかる店
•自分では買わないけど、もらったら嬉しいモノがある店
•空港やショッピングモールで見かけるとつい立ち寄る
日本の店舗で例えると?
•東急ハンズ × ニトリ × ソフトバンクセレクションのような感じ
•または「大人向けのヴィレッジヴァンガード」と形容されることもあります(おもしろ便利グッズ+テック感)

※2 Brookstone
Brookstone(米国)
→ Sharper Image よりもう少しカジュアルで、癒し系+面白ガジェット寄り
→ 日本で例えるなら:ヴィレッジヴァンガード × ハンズに近い感覚
※3 generated publicity (注目・話題・報道を作り出す)
類義表現
表現………………………………ニュアンス
attract publicity………………注目を集める(受動的)
generate buzz…………………話題を生む(カジュアル)
create media attention………メディアの関心を作り出す
stir interest……………………関心を呼び起こす(やや感情的)
※4 propelled sales (販売を推し進める)


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